のりのりのびのび~

おっつぁん44歳が日々の出来事等を綴ります〜

文明を解く東大講義録 / 堺屋太一著

文明の由来と未来!

 

 

備忘メモ〜

 

・規格大量生産は縮小し、知恵の値打ちの創造が経済成長と

 企業利益の主要な源泉になった。

 そして何よりも労働力と生産手段の分離という近代の特色が

 逆転しつつある。

 知価創造的な仕事に携わる人々にとっては、真の生産手段とは

 本人の知識と経験と感覚であろう。

 知価社会においては、労働力と生産手段は限りなく一体化する方向

 に向かっている。

 

物財を欲するものは、写実美術を生む

 

 物財の増加を求めて交易しようとすると、相手がどんな商品を出すかを

 観察しなければいけません。

 土地を改良するためにも測量し観察する必要がある。

 従って、物財を観察する習慣が生まれます。

 

 また、交易では持ち帰った商品がどんなものかも問題です。

 物財を観察してカタログをつくる必要から、写実の技術が生まれます。

 ここで古代の写真美術が誕生するわけですね。

 

古代の人は、まず物財を重視した。だから写実する。

 すると次には、なぜそうなるのかという原因を探る。

 そこから「科学する心」が生まれ、やがて技術になります。

 

ジンギス・カンは「大量報復思想」を考えついた。

 これは現在、アメリカの核戦略のもとになっている思想です。

 核戦略を理論化したハーマン・カーンなどはジンギス・カン

 非常に参考にしています。

 

 ジンシス・カンは占領したところに「ダルカジと六十人の蒙古人」と

 いわれるものを置いたといわれます。

 ダルカジは、知事とか総督と訳していますが、占領地の長官です。

 これに六十人の兵隊をつけて置く。今でいうと一個小隊です。

 この人数では治安は守れません。反乱がおこると、たちまち全員が

 殺されてしまう。しかし、どこかで反乱が起こってダルカジが殺されたと

 なると、蒙古高原から十万騎の大軍が来て、生きとし生けるものを

 全部殺した。

 

 そのうわさが伝わると二度と反乱は起こらなくなります。

 これがジンギス・カンの考えた統治方法「大量報復思想」なんです。

 これによって、わずかな軍隊でポーランドから朝鮮半島

 至るまでを征服することに成功しました。

 

・共同体としての認知

 

 - 忠誠心と帰属意識

 - 広範なトランザクション(機能分担)

    - 定期性、恒常性(地位願望)

    - 排他性(対外差別)

 

好縁社会は第一義的に「情報」で生まれる「情報共同体」であり、

 好みを全うする「消費共同体」であり、主観的欲求を満たす「楽しみ共同体」

 です。 

 

 隣近所や職場といった空間的限定を超えて、インターネットで

 自分の趣味の相手を探す。空間(地域)と階級(地位と所得)を「飛び越え」る。

 金持ちや社長という人ばかり集まっているのではなく、好きなテーマであれば、

 経済的条件も超越する。階級(貧富)、職業(生産)を飛び越え、出身(血縁)も

 民族も飛び越える。外国人も入れる。知価社会には、こういった好縁社会が

 形成される可能性が高い。新しい世の中が生まれてくるでしょう。

 

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